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自工会が2021年度に実施した二輪市場動向調査の結果を発表。高齢化が若干だが緩和されてライダーの平均年齢は0.5歳若返り54.2歳に

保有台数総数は緩やかに減少中だが原付二種と小型二輪は微増。新型コロナの影響も購入時の一つに

一般社団法人の日本自動車工業会(自工会)は、 2021年度に実施した二輪車市場動向調査の結果を取りまとめ、4月20日に公開した。これは新車購入ユーザーの特性や使用状況 、今後の購入や保有の意向などを隔年ごとに調査することで、需要の質的変化の見通しに役立てようとする目的で行なわれている。

 

以下で自工会が取りまとめた結果を紹介する。それによると、バイク需要は新型コロナウイルス感染拡大の影響下にあって“三密”を避けて移動できる有用性や、ワークライフバランスの充実に適した趣味という特性が認められつつあることなどを背景に、2020年度の保有台数は37万1,000台と2019年度の35万8,000台から微増している。保有台数の推移自体は緩やかな減少傾向が継続しているが、原付二種(51~125㏄)と小型二輪(251㏄以上)の保有台数は微増している。

 

従来、二輪免許取得者で大きな割合を占めていた原付免許取得者は2019年度まで減少傾向が続いていたが、2020年度では9万6,000人と、前年度よりやや増加。ただし原付一種の保有台数は落ち込んでいる。また、普通二輪・大型二輪免許取得者は2017年度まで減少傾向を続けていたが、2018年度以降は回復基調で推移している。

 

年齢構成をみると2019年度までは年々高齢化が進んでいたが、今回は前回に比べて30代以下の構成比が3ポイント増加して32%に。全体の平均年齢が54.2歳と前回より0.5歳低くなった。なおオンロードモデルの軽二輪ユーザーの平均年齢はやや上昇しているものの、オンロードモデルの小型二輪では年齢がやや低下している。

 

性別は男性が85%を占め、この傾向は変わっていない。

 

全体での週間使用日数は平均3.7日から3.3日に減少している。月間走行距離は平均239kmと前回と変わらない。

 

購入に至るまでの行動としては、バイク以外の乗り物との比較検討率は13%と前回から4ポイント減少している。また、バイクを購入すると決めた理由は「経済性」や「乗り慣れているから」という理由が高く、オンロードモデルだと「乗ったときの爽快感」や「カッコいい」が高い比率となった。購入車の情報源はウェブと販売店の実物が中心だが、若年層では口コミやSNSも活用されている。加えて、オンロードモデルとオフロードモデルはバイク専門誌や販売店での試乗など、多様な手段で情報を得ていることも挙げられる。

 

購入形態は55%が買い替え(前回60%)、再購入が20%(前回15%)、買い増し14%、新規11%と、買い替えが減少し、再購入が増加している。このなかでとくにオフロードモデルの再購入は10ポイント増となり、増加幅が大きくなっている。また、直前使用車の使用年数は全体的には前回調査時より若干増加しているが、オンロードモデルの大排気量車ではやや減少している。

 

購入したバイクに期待する点は、スクーターやビジネス車はコストや移動の利便性、オンロードモデルやオフロードモデルは走る心地よさや楽しさ、解放感が挙げられている。

 

購入したバイクに対する満足度は概ね高く、とくにスピード感は期待度を大きく上回るという回答が多い。楽しみ方としては、オンロードモデルのユーザーを中心にツーリング経験率は高く、とくに宿泊を伴うものへの意向も高い。また、サーキットの体験走行への意向も高い。用品の所有意向はライディングウエア、グリップヒーター、インカムへの意向が高い。バイクを楽しむための情報源としてはバイク専門誌、ウェブや口コミ、SNSのほか会員サービスやイベントからも情報収集されている。男性50代以下とオンロードモデルユーザーは口コミとSNSを活用している点が特徴的とも挙げている。

 

そして実際に乗るようになってから、乗車時に気にするのは主に雨、暑さ・寒さ。外出先の駐車場(少ない・料金が高い)や、とくに軽二輪以上のユーザーにとって、高額な高速道路料金の問題が改善されると乗車機会が増えるとの回答も。駐車で困った経験は全体で24%。東京23区では51%と都市部ほど高い。

 

バイクの継続乗車意向の変化をみると、「継続乗車意向あり」が今回85%と前回から3ポイント増加している。男性30~50代は「今後もずっと二輪車に乗り続けたい」という割合が高い一方、男性60代は「10年以内に乗らなくなる」と「あと数年でやめるつもり」を合わせた割合が22%、同70代以上は43%と高くなる。

 

環境変化別二輪車保有・乗車意向をみると、「保有を中止する」がもっとも高いのは「駐車スペースがなくなったとき」で55%ともっとも高く、次いで「経済的に余裕がなくなったとき」が48%、などとなる。オンロードモデルのユーザーは大型二輪免許の取得意向が他のタイプに比べて高く、希望時期も前回調査より「3年以内」の割合が増加傾向にある。

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