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【海外ツーリングレポート】モーターサイクルダイアリーズ in キューバ

キューバという国から何を連想します? カルチャー的なところだとラテン音楽&ダンス、モノだったら葉巻? あとキューバ危機やキューバ革命といった政治的なエピソードを思い起こす人も多いんじゃないでしょうか? そしてそのキューバ革命で名を馳せ、いまだに日本国内でもその名が知られている革命家チェ・ゲバラも有名ですね。すでに彼自身は故人となっていますが、その息子であるエルネストが主催するハーレーダビッドソンでキューバを回るツアーがあり、今回はそのツアーに参加したまりこさんの寄稿です。

 

 

5日間で約900㎞ ハーレーダビッドソンでキューバを巡る旅

縁あって友人と2人でエルネストのツアーに参加する機会に恵まれました。私たちのほかにはフィンランド人が4人、キューバのサポートチーム4人の計10名のツアーになりました。ツアーにはハーレーのレンタル車両が含まれていて、サポートメンバーが先導はもちろんメカニックとしても活躍してくれ、ツアー中に何が起きても対応できる体制が整っていたのは心強かったです。

 

バイクで走るのは5日間で約900㎞、ツアー3日めには最長距離330㎞を走りました。ハバナなどの街中は人やクルマも多く、路面は石畳だったり、さらに穴だらけだったりで気をつかいます。さらに郊外のフリーウェイも路面状況が一定ではなく、日本で同じ距離を走るよりはるかに体力、集中力を使いました。

 

旧市街がロス・インヘニオス渓谷とともに世界遺産に登録されている古都トリニダーに宿泊した日は、宿まであと数分というところでゲリラ豪雨の真っただなかにいました。目の前を横切る山から下りてくる道は水があふれて濁流と化し、前を走っていたクルマはその濁流が渡れずに止まったまま。対向車も同じく止まっている隙に、私たちの後ろに付いていたサポートカーが濁流を少しでも塞き止める形で交差点に突入したのを合図に、私たちは止まっているクルマの横をすり抜け濁流を渡ったんです。沿道でその光景を見た人たちは大喜びで手を振ったり声援を送ってくれました。その後も何本も濁流を渡って宿に着きました。「無事でよかった、一生忘れられないね」と乾杯したビールのおいしかったこと。

 

ツアーのハイライトはキューバ中央部のビージャクララ州の州都サンタクララでした。チェ・ゲバラの町として知られていて、遥か遠くを見渡すように青空にそびえ立つゲバラ像が私たち一向を迎えてくれました。“ああ、こんなところまでバイクで来ることができたのか”とおごそかな気持ちになりました。訪れた霊廟にはエルネストの父、ゲバラだけでなく、ツアーに同行していたカミーロの父親も祀られていることを知りました。親子二代に渡って強い絆で結ばれている2人と毎晩ラムやシガーをともにしたことは感慨深いことです。チェはエルネストが2歳のときに亡くなっているため、「父としての記憶は何もない」とエルネストは言ってました。ただ多くの人と同じように、人としてのチェがとても好きだ、と話してくれました。

 

お別れの手紙に“日本のmotoristaへ家族から特別な挨拶を”と書かれていました。バイクは不思議な乗り物です。夢に見た以上のカタチで、私をキューバに連れて行ってくれたんです。免許を取るときや初めて公道に出たとき、きっと少し勇気が要ったと思うんです。そして少しずつ世界を広げながらバイクとの時間を安全に大切にすごすうち、今回のように想像以上の何かに出会えることがあります。目の前に新しい道が見えたら、少し勇気を出して進んでみましょうよ。進み続ければいつかそこにもっとバイクを好きになる、忘れられない瞬間が訪れるはずです。

写真・文:まりこ
協力:https://www.lapoderosatours.com/
https://www.moottoripyoramuseo.fi/

 

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